公務員OBの業界事典

公務員OBが公務員の制度・話題や、思ったことなどを気ままに更新しているブログです。

地方公務員OBが語る、公務員で必須の「レク」ってなに?

こんにちは、およちゃんです。
今日は、公務員の業務で重要な、レクについてお話ししたいと思います。

 

1 レクとはなにか

 そもそも「レク」とは何かですが、レクとは「レクチャー」のことです。業務を実施する際に、「こういったことを考えている」「こういう風にイベントを開催しようかと考えている」ということを、上司に事前説明を行うことを言います。レクについては、基本的に会議やイベントの直前に行うことが多いです。

 例えば県庁の業務であれば、市区町村を集めた会議を実施しようと考えているとき、議題はコレで、上司はどういう役割で、誰が参加するのか、などを上司に事前に説明します。こうすることで、会議等がぶっつけ本番となることがなく、スムーズに会議を進行出来たり、イベントが開催ができるようになるのです。

 レクと混同しがちなのが、「協議」です。協議については、レクと似ていますが、事業実施の了解を取る前に、事業をこういう風に実施しようと考えている、制度をこういう風に改正しようと考えている、イベント内容はこういうことを考えている、など、上司と相談することが主となるものです。事業の実施に当たっては、この協議も非常に大切で、上司の決裁および了解をスムーズに取るためにも必要な内部事務になります。

 レクについては、上司にもよりますが、しっかり聞いて本番に臨んでくれる人もいれば、レクした内容をすっかり忘れている上司もいます。ですので、本当に聞いてくれているかどうかは、あなたの上司の性格次第かと思います。

2 レクの種類

 先ほどご紹介したレクには、いくつかの種類がありますのでご紹介します。

(1)係長レク

 自分が所属している係長や他の係長に行うレクです。係長は上司の中でも一番身近な存在であり、かかわりも深い存在ですので、レクの難易度は低めです。係長にレクする内容は様々ですが、会議の司会進行や、課長や部長等へのレクのためのレク、であったり内容は様々です。

 後述するレクと比べると、比較的細かい内容をレクすることになる場合が多いです。

(2)課長レク

 公務員の係員クラスで一番頻度が多いのが、この課長レクです。課長には、会議に出席してもらったり、イベントに参加してもらったりすることが多いので、そのたびにレクを行います。

 課長へは会議の開会挨拶当日の行事の流れであるとか、外部からの来訪者などについて説明を行います。また、後述の部長レク等を行う場合は、レクで話す内容などを課長と協議したりもします。

 課長レクでは、係長などと考えていた内容が修正されることが多く、そもそも事業の実施等について、ちゃぶ台返しを食らう可能性もあるので、事前の十分な準備(協議)が必要です。

(3)部長レク

 重要な会議やイベントでは、課長の上司にあたる部長や次長に出席をお願いする場合等があります。その場合は、部長や次長に対してもレクを行う必要があります。

 部長や次長については、全ての事業を細かく熟知されているわけではないので、レクの中では、そもそもどういう経緯で事業を実施するのか、こういう予算でこういうことをお願いしたい、ということを簡潔に説明する必要があります。

 上の階級になればなるほど、スケジュールが限定されているので、レクの時間の確保が難しかったり、イベント等のスケジュールの確保が難しかったりします。レク中の指摘も、部長自身に関心があることについて意見される場合が多く、マクロな視点(業界との調整、国レベルの話など)で意見をされる場合が多いです。ミクロな部分(事業の細かい部分)までは指摘されない場合が多いです。

(4)首長レク

 都道府県庁、市役所、町村役場のトップへのレクです。担当だけで行うことは少なく、ほとんどの場合は係長や課長と一緒に臨むことが多いです。首長へレクする機会はあまり無いかもしれません。それでも時々はそういう機会がありますが、やはり緊張します

 首長は当然、都道府県民、市町村民の選挙で選ばれた政治家の方が就任されるので、「採用試験に合格した公務員」ではありません。レクでは、部長レクまでのようにすんなりいかない場合もあり、首長の性格や政治方針に事業等が左右される傾向にあります。首長の性格や傾向については、他部署のレク経験者等に事前に雰囲気を聞いておくと、当日あたふたしなくてすむでしょう。

(5)その他

 外部有識者を呼ぶ会議であれば、大学や職場まで赴き、委員長等(大学教授等)へのレクが必要です。最近は、遠隔地であれば、Zoomなどのオンライン会議ツールなどを活用して行うことが多いです。庁内の方ではないので、上司と一緒に訪問することが多く、身だしなみなどに気を遣います。言葉遣いや、また、庁内の関係者にも事前に説明が必要であれば、各部署へ事前レクを行います。

3 レクの重要性

 2で記載したように、各種レクは公務員生活において必須事項となります。説明能力や要点整理の能力は、場数を重ねれば徐々に力が身についていくかと思います。レクは参加者が、当日の雰囲気や説明内容を知っておくうえで重要な役割を担っていますので、会議等の本番と同じくらい、十分な準備をしたうえで臨みましょう。

 レクを行わなかった場合(あり得ませんが)、上司に怒られます(笑)

4 レクに必要なこと

 レクに必要なことは、周到な準備です。コレに尽きます。レク用の資料作成や、当日の段取りについては、しっかり固めたうえでレクに臨みましょう。

 レクの時にアタフタしていると、上司の評価が下がってしまう可能性が無きにしも非ず。特に当日の段取りやシナリオなど、内容をちゃんと説明できるようにしておきましょう。

5 まとめ

 レクについて、ご理解いただけましたでしょうか。公務員生活において必須事項のレクですが、何年たっても説明が苦手で、苦労される方もおられます。上手にレクができるようになるには、場数をこなし、説明の組み立てを自分で学ぶことが上司に信頼されるための第一歩ではないかと思います。