公務員OBの業界事典

公務員OBが公務員の制度・話題や、思ったことなどを気ままに更新しているブログです。

★地方公務員OBが語る!!★出世する所属・部署はどこ?

 こんにちは、およちゃんです。
 今回は、地方公務員で出世が期待される部署について、お話ししたいと思います。今回お話しするのは、一般行政職のお話になりますので、技術職(土木・農業など)の方についてはまた別になりますので、予めご了承ください。

 

1 地方公務員の部署について

  都道府県庁、市役所、町役場には様々な部署が存在しています。部署は大まかに分類すると以下のとおりになります。※あくまで参考です。

  • 総務系
  • 人事系
  • 財政系
  • 企画調整系
  • 税務系
  • 広報系
  • 農政系
  • 土木・建設系
  • 産業系
  • 環境系
  • 健康福祉系
  • 教育系
  • 各種委員会 など

 各都道府県や市区町村で力を入れている事業(スポーツなど)があれば、それらを推進する部署が設置されることが多いです。

 地方公共団体の組織はずっと同じではなく、毎年、微妙に名前が変わったり、統廃合されたり、流動的です。都道府県民の方や、市区町村民の方には、同じ名前でずっと統一しておく方が、名前を覚えてもらいやすいような気がしなくもないですが、大人の事情で組織は毎年生まれ変わっているようです。

2 結局どの部署が出世するの?

  さて、本題ですが、どの部署がいわゆる出世コースなのか。それぞれの都道府県庁や市役所、町役場等でまちまちで、あくまで私見ですが、おおよそ、財政系、人事系、企画調整系、特別プロジェクト系、各部局の幹事課、が出世コースだと思われます。

 今あげた部署以外にもあるでしょう?っと思われる方もあるかもしれませんが、この記事内ではご了承ください。

3 なんでなの?

  順番に私が感じる理由を述べたいと思います。

(1)財政系

 公務員の中では、一番忙しく、調整能力や処理能力が必要で、庁内のスーパーエリートがこの部署に配属される傾向があります。財政系の部署に行く人は、配属前の部署で予算関係の事務を経験していることが多く、いきなり財政担当となる人は少ないように思います。

 予算査定で過去の予算資料と次年度の予算資料とにらめっこしたり、各部署とは厳しく接しなければならなかったり、業務の性質上、ミスが許されません。また、財政系の部署では議会事務局や各会派等との議案調整などの各種調整をしている場合もあります。そうなると、本当に忙しい部署ですよね。

 財政系に配属されると、今まで温厚な人であっても、人が変わったように性格が180°変わります。忙しいからでしょうか…忙しいと人の性格まで歪めてしまうのだなあと思いますね…。

(2)人事系

 人事系の部署では、庁内組織の調整や、人事評価の取りまとめ、人員配置が主な仕事になってきます。また、場合によっては、職員の給与に関する条例や規則を司っている場合もあります。

 人事系の部署についても、評価が高い人が配属される傾向にあり、機密事項や個人のプライバシーに関わる情報を持っているので、情報の取扱いや漏洩には細心の注意が必要な部署でもあります。

 人事系の部署は、年明けあたりが忙しく、年度末の人事異動に備えて、人員配置の作業を集中して実施する傾向があるようです。人事系の部署は、各部署の要望や現状を把握して、適正な人員を配置する必要があることから、こちらもミスが許されない部署となります。

(3)企画調整系

 役所には縦割りの風潮がいまだに根強く残っていますが、それらにとらわれず、庁内の各部署の調整役となっているのがこの企画調整系の部署です。企画調整系の部署では、各部署の懸案事項や主要な取組、庁内全体で取り組んでいかなければならないことの総括的な業務を行います。

 つまり、この部署に配属されたからには、庁内の各部署が抱えている先述の懸案事項や主要な取組を理解したうえで、業務を進めていかなければならないので、各部署の事業を担当するよりも、業務範囲が広範にわたります。この点で、企画調整系部署は非常に業務の難易度が高く、出世が期待できるエリート達が部署に集結します。

 世界レベルの話題でいうと、SDGsの達成に向けた総括事務は企画調整系の部署が取りまとめていますし、庁内の長期の基本方針および実施計画の策定、庁内の幹部会議や首長が出席する会議、ほかにも全国の首長が集まる会議の段取りなどについても、この企画調整系の部署が取りまとめている場合が多いです。企画調整系の部署は個別具体的な事業というよりは、総括的な事業となります。

(4)特別プロジェクト系

 国体準備・運営、官民協働プラットフォームなど、特定の目的のために立ち上げられた新規部署については、出世コースだと言えるでしょう。

 公務員の業務については、前例踏襲的な業務が多く、何かをしようとしたときに、前例を参考に事業を進めることが多いですが、こうした特定プロジェクト系の部署では前例がない場合が多く、自分たちで事業を創り上げていく(クリエイティブな)事業が多いです。そのため、頭が柔らかい人、協調性のある人、事務処理能力が高い人が配属される傾向があり、やはりエリートの集まりとなる傾向にあります。

 特定プロジェクト系の部署は、ルーティンワークが好きな人には面白くない部署かもしれませんが、自分でどんどん仕事を進めるのが好きな人は適任の部署かと思います。最初はどのように進めるか、誰とやっていくのか、スケジュールなど、序盤は課題が山積しているので、難易度が高くしんどい部署ですが、一度形さえ固まれば、あとはスムーズに事業が進んでいくのではないかと思います。

(5)各部局の幹事課

 企画調整系の部署とまではいきませんが、各部署の取りまとめ的な業務を担う部署です。課の上に「部」が設置されている都道府県庁などにいわゆる「幹事課」が存在していて、町役場には「部」が無いところもあります。こちらも取りまとめ的業務や各課横断的な業務を担っていますので、各課の課題や人事、組織の目標などを把握しておく必要がありますので、比較的難易度が高い部署と言えます。

 幹事課についても、エリートが集まる傾向にあります。

4 出世する部署へ配属されるには

  何としても出世したい!という方ですが、出世されている方の行動や傾向を見てみると以下の通りかと思います。

  • 事務処理はできて当然
  • 雑談が上手
  • ON/OFFの切り替えが上手い
  • 横のつながりが広い

 この中でも私は2番目の「雑談が上手」を推したいと思います。地方公務員で上に上り詰める人は、会議や協議で事業等を説明するのがほかの人と比べて断然うまいです。話し上手の人は、頭の回転も早い傾向にあるので、対外的な説明に長けています。コミュニケーション能力の有無だと思います。

 階級が上になり、いわゆる管理職になると、庁外の偉い方と接触する機会もあるでしょうし、庁内の各部署と事業等の調整をするときに説明能力等が求められるでしょう。また、議会の各種委員会等で議員から説明を求められることもあります。階級が上がると、断然説明能力が求められるようになります。

 職場の雰囲気的に、この人と一緒に働きたいなと思える楽しい人、つまり雑談ができる人であることも大事です(ずっと雑談しているのは当然問題ですが)。こうしたその人の雰囲気が配属先や採用時に重視されることが多いことから、雑談力は非常に大事だと考えています。

 今から、上手に話すことが出来るようになるために何が出来るかですが、場数を踏むことが大事です。講演会等の機会があるならば、その際に話す練習が出来ますし、大勢の人前でだんだん緊張しなくなるからです。場数を踏んで経験値を積むことで、今後の自分のためになるのではないでしょうか。

 職場でそういう機会がなかなか無い、という方については、公務員有志で様々な取り組みをされている場合もありますので、そういったコミュニティに入っていくのも一つの手だと思います。

5 さいごに

  出世する部署について記事にしてみましたが、あくまで私見です。今後、公務員を目指される方、いま公務員として勤務されている方の参考となれば幸いです。

地方公共団体の「予算」ってなに?地方公務員OBが基礎を解説!

 こんにちは、およちゃんです。
 今回は地方公共団体の公務員が業務を行う上で最も基本となる予算について、お話ししようと思います。予算は奥が深く、私も直接担当していたわけではありませんが、概要をお話しさせていただこうと思います。

 

1 予算とは

 地方公共団体は、地方自治法などの法令に基づき、各年度ごとに予算を定めなければなりません。地方自治法には、

地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。(地方自治法第2条第14項)

と定められており、経済的かつ効率的に執行することが求められています。

 当該年度の予算については、当該年度の前年度末の議会で承認されます。おおよそ予算については、前年度の夏ごろから参考見積や積算を始め、秋ごろに財政部局に概算要求を行います。その後、各部局から要求額が出そろった段階で、財政部局から各部局へヒアリングが行われ、予算査定が行われます。この査定は大変重要であり、かつ、財政部局の査定は大変厳しいものであることから、各部局が気合を入れて臨むべきものとなっています。財政部局の査定は、採用面接の圧迫面接を彷彿とさせます。

 また、年度途中にも「補正予算」が組まれることがあります。補正予算では、当初予算の編成時に予期できなかった予算の計上であったり、予算を執行した結果、不要となった予算を減額したりします。補正予算についても、議会で承認された後に執行します。

2 予算の種類

 地方公共団体の予算には、以下の種類があります。

予算は、次の各号に掲げる事項に関する定めから成るものとする。

  1. 歳入歳出予算
  2. 継続費
  3. 繰越明許費
  4. 債務負担行為
  5. 地方債
  6. 一時借入金
  7. 歳出予算の各項の経費の金額の流用

地方自治法第215条)

(1)歳入歳出予算

 一般的に「予算」と言えばこのことを言います。物品の購入のための費用や補助金や委託料など、全てこの中に含まれます。

 一会計年度における一切の収入及び支出は、すべてこれを歳入歳出予算に編入しなければならない。(地方自治法第210条)

(2)継続費

 予算は原則単年度分しか計上できませんが、例外として、2か年度以上かかる事業を実施する場合、総額、期間および年度割についてあらかじめ一括した予算として議会の議決を得たものが継続費です。議会で議決されると、当該事業の全予算が有効となり、支出権限も付与されます。

 同じような種類の予算として、「債務負担行為」がありますが、それは後述します。

 普通地方公共団体の経費をもつて支弁する事件でその履行に数年度を要するものについては、予算の定めるところにより、その経費の総額及び年割額を定め、数年度にわたつて支出することができる。(地方自治法第212条)

(3)繰越明許費

 予算は当該年度中に執行する必要がありますが、諸々の理由により、翌年度に執行しなければならない場合は、翌年度に予算の繰り越しを行うことができます。

 歳出予算の経費のうちその性質上又は予算成立後の事由に基づき年度内にその支出を終わらない見込みのあるものについては、予算の定めるところにより、翌年度に繰り越して使用することができる。(地方自治法第213条)

 繰り越した予算は、翌年度中に執行しなければなりません。

 また、繰越を全く予想していなかったものが、避けがたい事故のために、年度内に支出が終わらない場合は、「事故繰越し」という通常の繰越しとは別に制度があります。繰越明許費については、予算として定めたうえで当該予算について議会の議決が必要ですが、事故繰越しについては、予算で定めることは不要であり、予算の執行段階で地方公共団体の首長の権限として行うものであるという違いがあります。

(4)債務負担行為

 債務負担行為は、将来に渡る債務を負うことを言います。

 歳出予算の金額、継続費の総額又は繰越明許費の金額の範囲内におけるものを除くほか、普通地方公共団体が債務を負担する行為をするには、予算で債務負担行為として定めておかなければならない。(地方自治法第214条)

 議会の議決を必要としますが、歳出予算は含まれず、必要となった年度に予算を計上します。債務負担行為は、議会の議決を経て翌年度以降の債務の範囲(限度額)を定めるものです。支出の権限まで保障されるものではなく、各年度に予算を計上しなければならない点で継続費と大きく違います。

 継続費も実際は年度毎に歳入歳出予算を計上しますが、それはあらかじめ決められた支出の権限内で財源等を説明するものとなっています。

(5)地方債・一時借入金

 地方債および一時借入金は、地方公共団体の予算の収入にあたる項目です。

 地方債

 普通地方公共団体は、別に法律で定める場合において、予算の定めるところにより、地方債を起こすことができる。(地方自治法第230条第1項)

 前項の場合において、地方債の起債の目的、限度額、起債の方法、利率及び償還の方法は、予算でこれを定めなければならない。(地方自治法第230条第2項)

 一時借入金

 普通地方公共団体の長は、歳出予算内の支出をするため、一時借入金を借り入れることができる。(地方自治法第235条の3第1項)

 前項の規定による一時借入金の借入れの最高額は、予算でこれを定めなければならない。(地方自治法第235条の3第2項)

 第一項の規定による一時借入金は、その会計年度の歳入をもつて償還しなければならない。(地方自治法第235条の3第3項)

(6)予算の流用

 年度内に支出が必要な経費が発生し、それらを予算計上していなかった場合、他の項・目などから予算を流用し、執行することができます。ただし、これは例外的な取り扱いであり、予算は原則、議会で承認されたうえで執行すべきものであるという考えから、やむを得ない事情がある場合に適用されます。

 歳出予算の経費の金額は、各款の間又は各項の間において相互にこれを流用することができない。ただし、歳出予算の各項の経費の金額は、予算の執行上必要がある場合に限り、予算の定めるところにより、これを流用することができる。(地方自治法第220条第2項)

 予算の流用と似た概念として、「予備費」というものがあります。予備費は、

 予算外の支出又は予算超過の支出に充てるため、歳入歳出予算に予備費を計上しなければならない。ただし、特別会計にあつては、予備費を計上しないことができる。(地方自治法第217条第1項)

 要するに、緊急であったり、予期せぬ重大な案件が発生した場合に、特別に使用することができる予算を計上しておきなさい、というのが予備費です。予備費は、議会で否決した案件に対して支出することはできません。

3 予算担当の実務

 各部署には予算担当がおり、課内等の予算調整を行ったり、予算執行をしていますが、予算担当は基本的に大変な事務です。時間外勤務が多く、大変そうでした。

 年度初めは、前年度の支払い関係を行ったり、最終決算金額を取りまとめたりして、財政・会計担当部署に報告しなければなりません。

 年度途中は、急遽補正予算を計上する場合は、予算の各種資料作成であったり、議会の各会派へ内容説明を行ったり、課内調整だけでなく、議会や財政部署との調整に追われることになります。

 そうこうしているうちに、夏ごろになれば、次年度の予算要求関係の資料の取りまとめが始まり、課内での調整や、財政部署等のやり取りに追われます。予算要求が終わっても、財政部署からのヒアリング対応や、予算査定で予算が削られた場合には、復活協議のために調整を行ったりします。

 次年度予算対応をしていると、いつの間にか年が明けていて、年明けの議会の補正予算提出の時期までに、ある程度決算を固めにいく作業があり、一年が終了します。

 もし、公務員生活で予算担当となった場合は、忙しい担当となる可能性があることを覚悟しておいた方がよいかもしれません。

4 予算担当がやっていたこと

 予算担当の人が言っていたのは、「用語が分からない」「詳しい説明が無い」ということでした。例えば突然、「この業務の入札公告の準備お願いね~」なんて言われても、今まで入札事務に携わったことが無い人であれば、どういう資料が必要で、どういう手続きを踏んで、どう公開したらいいのか、分からないわけです。それと同じで、予算も「行政用語」などが多く存在します。

 その人は、参考書や辞書を購入されていました。分からない単語が出てきたら辞書を引き、理解する。もちろん公費で購入できれば良いのですが、それが許されない場合は自腹購入になります。その人は、「今後も必要になるだろうから」とのことで、自腹で購入されていました。

 予算担当になれば、都道府県庁や市役所、町役場の一年の流れが理解できますし、自分で学習する能力や解決する能力、そして何より、数字に強くなれるかと思います。その点では、若いうちに予算担当を経験することは重要かもしれません。

5 さいごに

 今回は予算の基礎中の基礎を記事にしてみました。もう少し予算を深掘りできる機会があれば、パート2として、記事を公開するかもしれません。

 次回は、公務員のエリートコースについて、ご紹介できればと思います。

地方公務員OBが語る、公務員で必須の「レク」ってなに?

こんにちは、およちゃんです。
今日は、公務員の業務で重要な、レクについてお話ししたいと思います。

 

1 レクとはなにか

 そもそも「レク」とは何かですが、レクとは「レクチャー」のことです。業務を実施する際に、「こういったことを考えている」「こういう風にイベントを開催しようかと考えている」ということを、上司に事前説明を行うことを言います。レクについては、基本的に会議やイベントの直前に行うことが多いです。

 例えば県庁の業務であれば、市区町村を集めた会議を実施しようと考えているとき、議題はコレで、上司はどういう役割で、誰が参加するのか、などを上司に事前に説明します。こうすることで、会議等がぶっつけ本番となることがなく、スムーズに会議を進行出来たり、イベントが開催ができるようになるのです。

 レクと混同しがちなのが、「協議」です。協議については、レクと似ていますが、事業実施の了解を取る前に、事業をこういう風に実施しようと考えている、制度をこういう風に改正しようと考えている、イベント内容はこういうことを考えている、など、上司と相談することが主となるものです。事業の実施に当たっては、この協議も非常に大切で、上司の決裁および了解をスムーズに取るためにも必要な内部事務になります。

 レクについては、上司にもよりますが、しっかり聞いて本番に臨んでくれる人もいれば、レクした内容をすっかり忘れている上司もいます。ですので、本当に聞いてくれているかどうかは、あなたの上司の性格次第かと思います。

2 レクの種類

 先ほどご紹介したレクには、いくつかの種類がありますのでご紹介します。

(1)係長レク

 自分が所属している係長や他の係長に行うレクです。係長は上司の中でも一番身近な存在であり、かかわりも深い存在ですので、レクの難易度は低めです。係長にレクする内容は様々ですが、会議の司会進行や、課長や部長等へのレクのためのレク、であったり内容は様々です。

 後述するレクと比べると、比較的細かい内容をレクすることになる場合が多いです。

(2)課長レク

 公務員の係員クラスで一番頻度が多いのが、この課長レクです。課長には、会議に出席してもらったり、イベントに参加してもらったりすることが多いので、そのたびにレクを行います。

 課長へは会議の開会挨拶当日の行事の流れであるとか、外部からの来訪者などについて説明を行います。また、後述の部長レク等を行う場合は、レクで話す内容などを課長と協議したりもします。

 課長レクでは、係長などと考えていた内容が修正されることが多く、そもそも事業の実施等について、ちゃぶ台返しを食らう可能性もあるので、事前の十分な準備(協議)が必要です。

(3)部長レク

 重要な会議やイベントでは、課長の上司にあたる部長や次長に出席をお願いする場合等があります。その場合は、部長や次長に対してもレクを行う必要があります。

 部長や次長については、全ての事業を細かく熟知されているわけではないので、レクの中では、そもそもどういう経緯で事業を実施するのか、こういう予算でこういうことをお願いしたい、ということを簡潔に説明する必要があります。

 上の階級になればなるほど、スケジュールが限定されているので、レクの時間の確保が難しかったり、イベント等のスケジュールの確保が難しかったりします。レク中の指摘も、部長自身に関心があることについて意見される場合が多く、マクロな視点(業界との調整、国レベルの話など)で意見をされる場合が多いです。ミクロな部分(事業の細かい部分)までは指摘されない場合が多いです。

(4)首長レク

 都道府県庁、市役所、町村役場のトップへのレクです。担当だけで行うことは少なく、ほとんどの場合は係長や課長と一緒に臨むことが多いです。首長へレクする機会はあまり無いかもしれません。それでも時々はそういう機会がありますが、やはり緊張します

 首長は当然、都道府県民、市町村民の選挙で選ばれた政治家の方が就任されるので、「採用試験に合格した公務員」ではありません。レクでは、部長レクまでのようにすんなりいかない場合もあり、首長の性格や政治方針に事業等が左右される傾向にあります。首長の性格や傾向については、他部署のレク経験者等に事前に雰囲気を聞いておくと、当日あたふたしなくてすむでしょう。

(5)その他

 外部有識者を呼ぶ会議であれば、大学や職場まで赴き、委員長等(大学教授等)へのレクが必要です。最近は、遠隔地であれば、Zoomなどのオンライン会議ツールなどを活用して行うことが多いです。庁内の方ではないので、上司と一緒に訪問することが多く、身だしなみなどに気を遣います。言葉遣いや、また、庁内の関係者にも事前に説明が必要であれば、各部署へ事前レクを行います。

3 レクの重要性

 2で記載したように、各種レクは公務員生活において必須事項となります。説明能力や要点整理の能力は、場数を重ねれば徐々に力が身についていくかと思います。レクは参加者が、当日の雰囲気や説明内容を知っておくうえで重要な役割を担っていますので、会議等の本番と同じくらい、十分な準備をしたうえで臨みましょう。

 レクを行わなかった場合(あり得ませんが)、上司に怒られます(笑)

4 レクに必要なこと

 レクに必要なことは、周到な準備です。コレに尽きます。レク用の資料作成や、当日の段取りについては、しっかり固めたうえでレクに臨みましょう。

 レクの時にアタフタしていると、上司の評価が下がってしまう可能性が無きにしも非ず。特に当日の段取りやシナリオなど、内容をちゃんと説明できるようにしておきましょう。

5 まとめ

 レクについて、ご理解いただけましたでしょうか。公務員生活において必須事項のレクですが、何年たっても説明が苦手で、苦労される方もおられます。上手にレクができるようになるには、場数をこなし、説明の組み立てを自分で学ぶことが上司に信頼されるための第一歩ではないかと思います。

地方公務員あるある、まずは5選!

皆さんこんにちは。およちゃんです。
今回は初めての本格的な更新ということで、地方公務員全体の業務等に係るあるあるネタ5選を公開していきたいと思います。今後もあるあるネタは出していきたいと考えています。
以下、私の個人的な意見です。地方公務員の総意ではありませんので、予めご了承ください。

それでは、どうぞ!

 

1 給与はよくない

よくある勘違いですが、地方公務員の給与はそんなによくありません。地方公務員の給与は、

  1. 職務給の原則地方公務員法第24条第1項)
     地方公務員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならないとする原則。
  2. 均衡の原則地方公務員法第24条第2項)
     地方公務員の給与は、生計費や民間企業の賃金、国・他の地方公共団体の職員との比較などによって定めなければならないとする原則。
  3. 給与条例主義の原則地方公務員法第24条第5項)
     地方公務員の給与は、住民の代表である議会において条例によって定めることとする原則。

これら3原則を踏まえて、公民の給与較差に応じ、さらに国の人事院勧告等の内容も踏まえながら、給料などの改定について、首長および議会に対し、人事委員会から勧告が為されます。

つまり、地方公務員の給与については、あくまで民間との比較で決められていて、民間企業と差があるかと言われると、極力差が出ないようになっているのです。

ですので、大企業と地方公務員の給与を比較すると、大企業に勤めている方が給与が良い場合が多いのです。大学時代の友人で、大企業に勤めている人と年収を比較したことがありますが、地方公務員の薄給具合に愕然とします。

ちなみに、地方公務員の給与については、時間外勤務手当が無い場合(基本給のみとなる場合)、かなり薄給となります。給与明細を見ると悲しくなるレベルです。時間外勤務をどれくらいするかで、給与が大きく変わります。特に、時間外勤務が少ない部署に異動した場合は、生活費等の工面を考えなければなりません。時間外勤務が多いのも考え物ですが、バランスが難しいところです。

 

2 定時で帰れない

これも大きな勘違いです。定時で帰れる部署もありますが、それは民間企業でも同じこと。地方公務員は、基本残業があると考えた方がよいです。

時間内については、都道府県民・市町村民の方からの問合せ対応や電話対応、会議等、そういった事務に追われ、デスクで集中して事務作業を行うことができない傾向があります。

地方公務員の本番はむしろ時間外(定時後)です。各種照会の回答作成、通知文の作成、会議資料等の作成には、集中して取り組める時間外がうってつけなのです。

また、土日祝日も休みではありますが、場合によっては、事務が平日に終わらず、休日出勤があることもしばしばです。

夜中23時を回っても、都道府県庁や市役所、町役場などの前を通ると、電気がついている部屋がいくつかあるかもしれません。。

 

3 噂話が好き

地方公務員の職場は閉鎖的な職場です。数年に一度、部署移動があるので、いろんな人と知り合いになったり、かかわりを持つようになります。

例えば人事異動の季節になり、××さんが他部署へ異動する旨の内示が出たとします。

 A氏「××さん、■■課に異動だなんて、何かあったの?」

 B氏「実は△△△△でやらかしたらしいよ…」

 A氏「そうなんだ…」

のように、瞬く間に噂話が広がっていきます。公務員の職場はとても閉鎖的な空間なのです。職業柄、秘密事項を取り扱うことが多いので、閉鎖的になりがちです。

このことから、噂話が好きな人が多いので、もし自分がうわさをされる立場になったとしたら…想像しただけで恐ろしいです。

 

4 不祥事はめちゃくちゃ叩かれる

不祥事はあってはならないことですが、年間通じて地方公務員の不祥事はいくつも起こっています。そのたびに新聞やテレビで取り上げられ、最近はWebニュースにも載るので、名前が一生ネット上に残る危険性があります。

しかしながら、公務員の良いところなのか、悪いところなのか、懲戒免職級の不祥事にならない限りは、解雇されることはありません

ただし、不祥事を起こすと左遷部署への転属を余儀なくされるほか、先ほど述べた職員同士の噂の的となり、職場にいることがつらくなります。自主退職を検討される方も多いように思います。直接的な制裁は無くとも、間接的に制裁を受けると考えた方がよいです。

ちなみに補足しておきますが、私は不祥事を起こしたことはありませんよ!

 

5 冷暖房の効きが弱い

庁舎内は基本的に夏場と冬場のみ冷暖房が付いていますが、ついているのは時間内のみ時間外になった瞬間にスイッチOFFとなります。これは環境への配慮、経費削減の関係でこのような措置が取られていることが多いです。

元銀行員の同期が言っていましたが、銀行だったら冷暖房もっときかせていたのに、と。お客様ファーストの職業だと、冷暖房の効き目が弱いとクレーム来そうですよね。役所もお客様(都道府県民、市町村民)ファーストな職種のように思いますが、いかがなものでしょうか。。

 

さいごに

いかがでしたでしょうか。あるあるネタは今後も記事にしていきたいと考えています。他の方が書かれているブログで既出の内容もあるかもしれませんが、ご了承ください。

公務員とあまり関わりが無い方や、これから公務員を目指そうとされている方の参考となれば幸いです。

はじめに

本日から、公務員関係のブログを始めていこうと思います。
「およちゃん」と申します。
ブログは過去に開設経験があり、また、HTMLを使ったホームページ制作の経験もあります。

1 自己紹介

 アラサーです。妻と子ども(男)2人、家族4人で地方で暮らしています。

2 内容

 このブログでは、公務員の内部事務公務員制度福利厚生等、について、疑問や私の経験談などを記載していこうと考えております。

 これから公務員を目指そうと思っている方、また、いま公務員だけどこの事務がいまいちよくわからない、など、そういった層をターゲット(?)にしていきたいと考えております。

3 補足

 ちなみに、当方は地方公務員でしたので、その内容が主になります。
 また、私もすべての部署を担当してわけではないので、記載内容に一部偏りがあるかもしれませんが、この点ご了承ください。

 4 その他

ご質問事項や管理者へ問合せ等ある場合は、

 (1)コメント
 (2)問合せフォーム
 (3)ツイッター

にて、ご連絡いただけますと幸いです。

 


以上、大変簡単ですが、よろしくお願いいたします。